ドラゴン・テイル
「ピクシーの能力は使えるし、子供の内に手懐ければ今後楽かなって思って、『ウル探しを手伝う代わりに手を貸せ』って言ったんだけど……まさかこんなに早く見つかるなんてね」
結局一度も使えなかったわ。
そう言って、苦笑する。
「ウル、あのね、急に飛ばしてごめんね」
腕の中のコパンが、ウルを覗き込むように見つめて言った。
「いや、お前のお陰で俺は捕まらなかったからな……感謝はしているが…」
ウルは、コパンを顔の前まで持ち上げると、コパンの目を見て言った。
「二度とあんなことをするな。お前が生きていたから良かったが、もしかしたら死んでいたかもしれないんだぞ」
少し叱るような口調に、コパンはシュンと顔を曇らせる。
「ちょっと、良くわかんないんですけど」
後ろから男の声。
ウルは視線も向けず、
「わからなくて結構だ。俺に関わるとお尋ね者になるぞ」
そう言い放つと、来た道を戻る。
「ちょ、待ちなさいよ!」
ウルの背に、エルフ女が声を投げた。
「あんた、その子介抱してあげた礼くらいあって然るべきじゃないの?!」
「そ、そうだぞ? ごめんなさい、有り難うは人付き合いを円滑にする秘薬なんだからなッ!」
男が訳の分からないことを言う。
ウルは足を止め、クルッと振り返り──
「アリガトウ」
半ば棒読みで言うと再び歩き始めた。
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