ドラゴン・テイル

「方法はあるわ。それを成し遂げるのが困難なだけで」

 セフルィリオーナの発した言葉で、再び全員の視線が一点に集中する。

「どうすれば良い?」

 ウルが問いかける。
 セルフィリオーナは少し困ったように俯いたが、すぐに顔を上げた。

「復活させるの、黒竜。そうすれば、黒竜は思念を本体に戻すはずよ。そうしないと、本体はただの抜け殻だから」

 突拍子のない話に、ウルは言葉を失う。

 黒竜を復活させないために宝玉を守る戦いをしているのに。

「何言ってんだよ、セフィ! 復活させてどうするんだ? また戦争が始まるだけだぞ?!」

 ウルの代わりにクレイグが言う。
 セルフィリオーナは、クレイグに視線も向けず、ウルを見つめたまま。

 クレイグの問いに答えたのはラーマ。

『どの道、思念が動き出したのなら復活は避けられぬ…。人間達が、何故この北の大地で黒竜を討ったか、分かるか?』

 突然の問いに、ウルは首をかしげた。

「アレの傍で討てば、すぐに蘇ってしまうからだ」

『それもある』

 ¨も¨?

 他にも理由があるのか……?

 不思議そうな顔をするウルに、ラーマは答えを告げた。

『北の地は、大地を伝い様々な地方から魔力が流れて混同している。
 それは乱れて磁場が発生する。南も同じだが、ほとんどのモンスターと呼ばれる生き物は、この磁場に弱い。
 だから、北と南の最果てにはモンスターの出現が極めて少ない』


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