シムーン
そんな日々の中で、夢みたいなことを言うのは当たり前よ。

確かにそこら辺にイケメンが落ちてたら誰だって苦労しないけどさ、少しばかりは夢見たっていいじゃない。

「じゃあさ、飲みに行こうよ。

場所は『居酒屋ますだ』で」

「んー。

わかった、いつものところね」

『居酒屋ますだ』とは、会社近くの飲み屋さんだ。

お手頃なお値段でボリュームがあるため、私たちもよく利用してもらっている。

まあ、本当のお目当ては営業している主人が結構いい男なのだ。

舘ひろしみたいにダンディーで男らしいのだ。

でも、彼には大学生の娘さんがいる。

結局バツなんだけど、見に行くくらいならタダでしょ?
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