シムーン
そう考えていたら、寝息が聞こえた。

…はっ?

慌てて腕の中に視線を向けると、彼女は目を閉じていた。

どうやら、寝たらしい…。

「――クソ…」

チッと、俺は舌打ちを1つした。

人が考えてる時にのん気な顔をして寝やがって…。

俺への嫌がらせか。

彼女が寝てしまったため、ますます俺は悩んだ。

夜遅くに、こんな道端に捨てるのは厄介だ。

何より、風邪をひかれてしまったらたまったもんじゃない。

「――仕方ない…」

眠ってる彼女の腕を自分の肩にかけると、俺は歩き出した。
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