アリィ
「聞きたくない!」
あまりの大きな声に、歩道を流れて行く登校中だった周囲の生徒達も足を止めた。
「アリィは今、ノアちゃんとカナエちゃんとミオちゃんと一緒にいるの!
みんな自分のスタイルに信念を持ってて、それをつらぬくためにどんなことにも負けないの!
アリィもそんなふうに生きるって決めたの!
先生に怒られても、認められなくても、カナエちゃん達と一緒ならいつも笑ってられるもん!」
カナエ達が、いっせいにアリィに群がった。
「アリィ、あんたサイコーだよ!」
四人は感極まったように抱き合っている。
まるで体育会系のノリで、ただベクトルが違うだけで、校則違反を取り締まっている五十嵐先生と同じように見えた。
アリィ、あんたはこういうことがしたかったの?
『ギャル』になって、群になって、自分の価値観で他人と衝突して……。
呆然とする私を横目に見つつ、ミオがアリィに言った。
「ねえ、あんなダサい奴とはさ、完全に縁切った方がいいんじゃね?」
そんな汚ねぇクマ捨てちゃえよ。
それをアリィは無表情で聞いていた。
そして。