アリィ


夏休みに入ってから、お金に関する問題はさらに厳しさを増した。


いままでと変わらぬ収入で、昼食までまかなわなければならなくなったからだ。


ただでさえ足りなかったのに、ますます出費がかさむことになって、私は必死に考えた。


そして、思いついた。


食べなければいいのだ、と。


朝食だけは、父が適当に買い物をしてきて冷蔵庫に放ってあるものでまかなうからいいとして。


夜の弁当、これを父の分だけにして、私はカップラーメンや菓子パンの、一番安いものをひとつ。


これで、昼と夜をしのぐ。


こうでもして節約したって、財政は厳しいのだ。


しかし、いくらなんでも菓子パンひとつじゃこたえる。


空腹を紛らすために水を飲みすぎて、まぶたが腫れぼったい。


私は給食に生かされていたのだと、今しみじみと思い知らされている。
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