恋愛小説家のススメ!
そういうと柊は笑った。この笑いはキライじゃない。

「相変わらず本のことに関しては熱いね」

「そこはお互い様でしょ? 本オタクなんだから」

「…言い方は悪いけど、意味は納得できるよ」

そう言って私の本を貸し出し処理してくれる。

…何だか私の本の番の時って、いっつも柊が相手のような気がする。

それだけ天敵扱いされているってことかもしれない。

「はい。貸し出し期間は一週間」

「分かっている。明後日には返す」

踵を返す私の背後で、柊が笑った。

…ヘンなヤツだ。

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