君が、イチバン。

「よしっ、休憩終わりだから、行くね」

立ち上がった私の頬に四宮君の手が触れる。冷たい手だ。

「腫れたら言え。倍返しだ」

「いやいや倍には返さなくていいよ」

君、グーで殴る気だったじゃん。
だけど、四宮君は名フレーズを冗談で言った訳じゃなく至って本気だった。

「…変な事考えないでね?」

「なにが?」

いや、いいんだけど。何もないならいいんだけど。なんか四宮君、すっごいダークだ。もしかして、ヤのつくキーなのか。ゆかりちゃんガタガタ震えてたもんな。恋する女の子の目じゃなかったもんな後半。
思考放棄は得意だ。なんか面倒くさいから考えるのをやめた。

トイレの鏡で、頬を確認する。普通に赤い。痛かったもんなー、本気だったんだろなー。蛇口からでる冬の水は冷たい。手を水で流して、しばらく頬を冷やした。


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