私の兄は、アイドルです。
☆stage.21
 

―――――
――――





この唄が


お前への誕生日プレゼントだと言ったら




きっと



バカだねと言って




照れたように


笑うんだろうな





―――――



――コンサート前日。



ホールリハーサルも、
順調に進んでる午後。



ぶっ通しで歌と踊りを確認し続けた俺は、

ステージセットの為
途中休憩になったから、

1人控え室で休んでいた。




そんな時




コンコン




「直人、入るぞ?」


「あ、どうぞ」




マネージャーの渡さんが、控え室にやってきた。




「お疲れ様。
なんだか今日の調子、いつにも増して最高だな」


「ははっ、渡さんが本番前日に褒めてくるなんて珍しい。
どうもありがとうございます。
もう、明日ですしね」




ニコニコと嬉しそうな表情の渡さんに
軽く会釈しつつ……



……俺は、少し考えていた。




そういえば……


もう……随分とマンションに帰ってないな……


……音遠、元気にしてるかな……



自分の勝手で離れたくせに、

離れたら離れたでやっぱり気になる。




 
< 291 / 297 >

この作品をシェア

pagetop