魔念村殺人事件
「まず、堀井章吾、二十九歳、学年は一つ上で、現在はS県でタクシーの運転手をしている。一言で云うとガキ大将みたいな存在だった。探検をする時も先頭に立ち、よく喋る人だな。S県に住んでいるものだから、俺は章吾としばらく会っていない。

 次は章吾の妹で堀井鈴音、二十六歳。美紀と同い年だ。鈴音は誰よりも気が強く、負けず嫌いでハキハキしている。それは大人になってからも変わらず、現在は東京で若者向けの店でショップ店員をしているよ。

 次は最年少の二十四歳である花村真優。真優は大人しくて泣き虫だったが、今は、東京でカフェの店員をしている。

 次は章吾と同じ、二十九歳の黒田瑞穂。瑞穂は誰よりも優しくて、皆のお姉さん的存在だった。それは今も同じで、真優が働いているカフェは、瑞穂が店長をしている店なんだ。就職先に困っていた真優を雇い、瑞穂は今でも面倒見が良いんだ。

 次は真優と同じ最年少の二十四歳である菅原正信。正信はいつもおどおどして、気が弱いやつだった。そんな正信を、鈴音がよくからかっていたこともあったが、現在は章吾と同じS県で郵便局員をしているよ。寮に入っているんだが、章吾とは近くに住んでいるから時々一緒に飲みに行っているみたいだな。

 俺は東京に住んでいる鈴音、真優、瑞穂の三人とは、たまに会ったりしている」
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