魔念村殺人事件
「もうっ、真優と正信は怖がりなんだから。大丈夫よ。お兄ちゃん封筒開けて」


 真優と正信を一瞥すると、章吾に封筒を開けるよう促したのである。

 章吾は鈴音の勢いに負けたのか、「ああ」と溜息のような声を洩らした。


「春樹、その封筒いいか」


 春樹から封筒を手渡してもらうと、章吾は震える手でゆっくりと開けた。

 その時、何人かの唾を飲み込む音が聞こえた。

 陸は自分だけが魔念村出身ではないせいか、落ち着いており、職業病のせいだろうか、無意識に六人の様子を観察していた。

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