御曹司が恋したお姫様!?㊤
「………苦っ」
「あら、ちょっと濃かったかしら」
一口呑んで顔を歪めたあたしから器をとって、それを呑んだ。
「…ちょうどいい濃さだけど」
一言、ボソッと呟いた。
あたしが味分かってないだけなんだと思うけど………。
「…ってか、なに!?
この純和風な和室と艶やかな着物と渋い抹茶は!!」
完全におかしいからね。
純和風な豪邸は。
美織ちゃん、着替えちゃってるし。
髪とか結ってるし。
本格的にお茶点てちゃってるし。