御曹司が恋したお姫様!?㊤
「そりゃため息も出るよ………」
さすがは藤堂家のお嬢様。
当の優梨亜は、すっかり馴染んでいる。
授業の合間も、隣の席の男子と親しげにしゃべっている。
「…なーんか華憐らしくないね。
しおらしい華憐なんて、初めて見た」
「…失礼ね。
あたしだって、しおらしくもなりますー」
そりゃしおらしくもなりますよ。
あたしは結構環境に順応して生きてきたと思う。
だけど………、
今回ばかりはその順応性を発揮できない…。