復讐は復讐を、血は血を呼ぶ

 楽しそうな彼女は男にステップを刻みながら振り返り、
「街の奴らはお前のことを馬鹿な男だと思っているぞ。少しこの格好だとな…着替えたいんだが…」
 すると男は細めた目を向け、
「いいんじゃないんですか?もともと我等は異端視される存在。笑われて何ぼです。…しかし貴女の服がありませんね…買って行きますか?」
 彼の懐を指差し、
「あるのか?」
 目を細めた表情は眉間に皺を寄せた。
「…なんとも言えませんね…ミセス・ラベットに繕ってもらいますか?」
「それでいい。裸で無ければな。あとは…こんなじゃなければ」
 そう言って着ている服のスカートをつまんだ。
「お前の服装が派手なんだ」
「何か言いました?」
「…何でもない」


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