先生

―――ブルブルブル


「あれっ?」

気が付いたら、眠ってしまって居たみたいだ。

最近の寝不足と泣きつかれが重なって、いつの間にか夢の中だった様だ。

時計を見ると、1時間も経っていた。
お母さんも、まだ帰って来ていない様だ。

私の横で、携帯電話が振動していた。


誰だろう?


携帯を開いてみた。


―――ドキン


メールのディスプレイには

【真咲 慎弥】

と名前が出ていた。


開くべきなのだろうか?

少し躊躇しながらも、メールを開いてみた。


【今、純那の家の前に来てる。少し出て来れないか?】


私は慌ててカーテンを開けた。
外はザーザーと雨が降っているせいか、滴で良く見えない。


えっ……


先生!!!


そう、先生は傘もささずにずぶ濡れのまま、私の部屋の窓を見上げていた。


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