―虎桜伝 K O O U D E N―


『あらこんな遅くまで!?外暗いでしょう…心配だわ…先生行ってあげようか?』


「あはは!大丈夫だよ先生。心配しすぎ」


中学までは壱守学園から近い学校に通えたけど、


あいにく高校は徒歩はもちろん、自転車で通うのも難しい遠い場所にしかない。

だからあたしは、
高校進学とともに、


先生の反対を押し切り、こうしてたびたび電話をすることを条件に


学校の近くに一人暮らしすることに決まった。


『だって美桜ちゃん…よく転ぶし。料理すれば、指切るは火傷するはでしょ?心配よ』


「あ…あはは」


夜道が危険だから心配…とかじゃなくて、


あたし自身に問題があるからですか!











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