色葉
ひめとじょてい
屋上に着いて目に飛び込んできたのは


プラチナブロンドを風に遊ばせるエリサ


絵になる。


隣の長は見とれているようでボーッとしている


美人は見慣れるというがどうなんだろ?


確かに古川つばさの普段に見惚れたりはしないが


予想外の姿に一々驚嘆はする


綺麗と思ってしまうことをやめられない


やっぱり美人もここまでくると見慣れないものなのかもな


隣の長だって1回見たはずなのに見とれてるし


お、どうやらエリサはこちらに気付いたようだ


にっこり笑った


「待たせて悪かった。」


「いいえ、いいのです。無理を言ったのはこちらですし。それであの、そちらの方が約束していた方ですか?」


「あぁ、そ『ガン』」


「アンタなんて口きいてるの!?」


「いえ、いいのです。私が望んだことですから」


「そうですか。えっと、さっき名前は言ったから・・・・・・・・・こういう時なんて話せば!?」


長が程よくパニックでテンパってるので話題を提供しよう


「エリサは長になんて呼ばれたいんだ?」


「え!?あ、あの、できればエリサで敬語はやめてください」


なんか不公平を感じるな


長の時は顔を真っ赤にして、もじもじと震えながら尻つぼみに言うのに対して


オレの時は威厳にあふれてた


なんの差なんだろ?


長はそんなエリサの態度に見惚れている


まぁたしかに同姓でもこれは可愛いと感じるよな


「ダ、ダメですか?」


震える声に潤んだ瞳。不安ですと全身から醸し出す雰囲気


計算でこれをできたら落ちない奴いないんだろうな


その証拠に長は落ちた


うんうんと激しく頭を縦に動かしているが、きっと内容理解できてないんだろうな



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