色葉
ほうかごのゆくえ
その後は歓談をして昼休み終了の10分前に解散した


長とエリサはメアド交換をし


その際、オレが携帯を持っていないことを知ったエリサの


『ご用意しましょうか?』


という申し出を固辞した


それになぜかエリサは嬉しそうに微笑み、長はあからさまにオレを睨み付けた


よくわからんなぁ女という生き物は。


秀の方は『石岡さんに睨まれるから』と言ってエリサではなく美鈴と交換していた


それに長はご満悦の様子だったが、なぜだろう?


歓談中、終始長に睨まれていたオレとしては後でコツを教えてもらいたい




午後の授業は英語の連続


前半がライティングで、後半はリーディング。


ライティング後の休み時間に雛森先輩が『迷惑をかけた』と謝りに来た


オレと目を合わすのはまだ気まずいらしく最後までまともに目を合わせなかったが。


オレも秀も『気にしないでください』と言ってこの話は終わり


というかオレの場合愛梨先輩が諸悪の根源だし


「石動、宮下先生が放課後数研に来るようにって言ってたぞ」


「え!?」


「だから、高橋も今日はやめて明日だって張り切ってるから頑張れ」


今日!?

早くないか?罰ってそんなに早くやられるものなのか!?


5点分の罰かぁ。気が重い


「何を落ち込んでるかわからないが、宮下先生は楽しみにって言ってたし、高橋の方だってあいつは常識人だから心配するな」


千景先生の楽しみってことはオレにとっての辛苦ってことと同義だ


「ん~。ますます落ち込んだな。どうすればいいかな?・・・・・・お、大杉・・・・・・・・君」


「大杉って呼びにくいなら秀でいいですよ」


「それは助かる。呼び捨てるのも無理で、君ってつけてみたが、私の中ではどうしても先輩の名前だからな」


「姉が迷惑かけます」


「い、いや、そんなこと。迷惑だなんて、間違っても、そ、そんなことは全く全然ない。そうないぞ。」


「あははは。冗談ですよ」


隣から和気藹々とした会話が聞こえるが、


我が身に降りかかる未来を想像しへこんでいるオレには内容まで考えられない


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