Ｌｏｖｅ　Ｓｔｅｐ

４人デート？

２０時に雪哉も良く知っている多国籍料理の店で会う事になった。


そこは芸能人が良く行く店で個室があり、気軽に食事やお酒が楽しめる店だ。


味は美味しく雪哉も気に入っている店で何度も来ている。




お手伝い初日の杏梨は足の痛みに顔をしかめた。

こんなに長い時間立っていたことなんて無い。

仕事って厳しい……。

初めて身を持って感じた。



１９時に店が閉まると杏梨は雪哉のオフィスに行った。


階段を上がる足取りがぎこちない。


足も痛いが精神的にも疲れていた。


杏梨にとって初めての仕事だったから。



行きたくないな……ゆきちゃんとラーメン屋さんにでも寄ってから帰りたいよ。


そう思いながら雪哉のオフィスのドアを叩いた。


中から「どうぞ」の声で杏梨はドアを開けた。


「あぁ、お疲れ様」


キーボードを打つ手を止めて入って来た杏梨に微笑む。


「うん　疲れた～」


杏梨はバタンと音をたててソファーに仰向けになり伸びをした。


「やめてもいいんだよ？」


杏梨が近くにいるとうれしいが疲れた顔を見ると辞めて欲しくなる。


「えっ！？」


杏梨は驚いてガバッと起き上がった。


「ううん！疲れてないよっ？」


せっかく恩返ししようとしているのに。


慌てて言う杏梨の必死な顔を見て雪哉は笑う。


「そうだ！コーヒー飲んで良いかな？」


杏梨はすくっと立ち上がる部屋の隅に置かれたコーヒーメーカーまで行った。


まだコーヒーメーカーにはコーヒーがたっぷり入っている。


「ゆきちゃん、飲む？」


ポットを持ちながら振り向き聞く。


「いや、いいよ　まだ入っているから」


口だけ杏梨の相手をして目と手は仕事をしている。


邪魔にならないようにソファーに戻って仕事に集中している雪哉を観察し始めた。



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