Love Step

ベッドの中

杏梨は目覚めた時、どうして自分のベッドに寝ているのか分からなかった。


あれ……どうして自分の部屋に?


眉間に皺を寄せて思い出そうと考える。


店を出た所までしか覚えていなかった。



どうやって帰ってきたんだろう……。



眩暈のようなふらつく感じはあるけれど、あの酷い吐き気は我慢できるくらいになっていた。



気持ち悪いけれど我慢できる。



頭を動かし、時計を見ると12時を回っていた。


「ゆきちゃん!」


床に座った雪哉を見て杏梨は声をあげた。


雪哉は本をその場に置くと立ち上がり、杏梨のところへ来た。


「気分はどう?」


「う~ 頭がふらふらするの……でも大丈夫……」


「おかゆ、食べられる?」


ひんやりとした手が額に置かれた。


あ……気持ちいい……。


「杏梨?」


「ううん……いらない 明日の朝、食べるね」


「汗かいただろう?着替えて水を飲むといい」


杏梨のタンスから手際よくパジャマを取り出すと戻ってくる。


そして杏梨の身体を起こすと、部屋を出て行った。



 
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