Love Step
「いいの、言わないで」



『え?言わなくて良いのかよ それじゃあ、お前が悪く――』




「いいの!お願いっ!」




『なんかお前おかしいぞ?』



「ごめん、遅刻しそうなのっ!言わないでね?約束だよ!」



そう言うと電話を切った。



一方的に切られた峻は呆然となった。



なに考えているんだ?あいつ……。



杏梨は急いで着替えるとキッチンでオレンジジュースをコップに注いだ。


その場で飲もうとすると背後からふんわりと肩に腕が回った。


突然、腕が回り杏梨の肩がビクッと跳ねる。



「ただいま」


「ゆ、ゆきちゃん!」


ぎゅっと抱きしめられている。


「寂しい思いをさせてごめん」



髪にゆきちゃんの唇を感じた。


優しい言葉は胸にツンとくる。



口を開けば涙が出そうでわたしは俯いていた。




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