Love Step
* * * * * *



雪哉がシャワーを浴びている間、杏梨はリビングでテレビを見ていた。



実際にはテレビを見る余裕なんてない。



立ったり座ったり、落ち着きなく部屋の中をうろついたいた。



こういう時は深呼吸がいいんだよね。



どこから出た情報なのか、素直に杏梨は大きく深呼吸をした。



「くすっ」


後ろで笑い声が聞こえた。



「びっくりした!」


髪に雫がついたままの雪哉に心臓がトクンを音をたてた。



上半身は裸で、きれいに付いた男らしい筋肉を目にして目のやり場に困る杏梨だ。


「そんなに緊張すると出来なくなるだろう?」



怖いのを我慢しているはず。



本当にこのまま杏梨を愛してしまって良いのだろうか。




「き、緊張なんてしていないよ?」


杏梨は心を決めて雪哉の胸に飛び込んだ。



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