Love Step

許せない

「も、もう朝だね 起きなきゃっ」



杏梨は雪哉から視線を反らすと上半身を起こした。



身体を起こした時、ハッとして自分の身体を見た。




あれ……?キャミ着てる。


着た覚えがないのに着ていると言う事は……ゆきちゃんしかいないよね……?


わーん 全然覚えていない……。



「なに百面相しているの?」


クッと喉の奥で笑いを堪えている。



絶対に面白がっている。


もうっ!覚えていないなんて恥ずかしすぎてまともに見れないよ……。



「何を恥ずかしがっている?今更だろう?」



顔から胸までピンクに色づいた肌に、雪哉は口づけをしたくなった。



「だって……着せてくれたのに覚えていないんだもん」



「そんな事か」



「そんな事って!他にもあるのっ?」



「恥ずかしがる杏梨は可愛いな でも――」



「で、でも?」



「杏梨の身体はすべて――」



「言わないでーっ!」



手元にあった枕を雪哉に投げた。



雪哉は笑いながら枕を受け止めると、枕ごと杏梨を抱きしめた。



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