Love Step
「まだ抵抗できたんだ?琴美から聞いているんだよね あいつの弟にレイプされかけたってね 無理矢理されても痛いだけだし、あきらめて一緒に楽しもうよ もうこっちは濡れているんだろ?」



手がスカートの中に入り込む。



「ぐっ!いやっ!止めてお願いっ!」



足をばたつかせるが馬乗りに乗られて身動きが出来ない。



「うるせえな」



杏梨の足が背中にぶつかり痛みを覚えたあきらはカッとなり手のひらで杏梨の頬を叩いた。



「!」



パン、パンと両頬を叩かれて、痛みよりも頭がくらくらした。



目の前が一瞬真っ暗になる。



だ、だめっ!



「こ……とみ……さん 助けてっ!お願い!助けてっ!」



悲痛な叫びに視線を反らしていた琴美は杏梨を見てしまった。



泣き叫ぶ杏梨に胸がズキッと痛んだ。




杏梨ちゃん……。


私のせいだわ あきらの言葉を信用したから……。


こんな事をするなんて思ってもみなかった。


ううん 本当に思っていなかった?この子ばかり大切にされて、守られて、嫉妬していたんじゃない?


だから心の奥底で分かっていてこの子を呼んだ。




琴美は夢遊病者のようにふらっとテーブルの方へ動いた。



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