実話~運命~
その日、帰ってきた翔太はわたしをまた優しく抱きしめてくれた。


「俺、里美が無事でよかったわ…。一緒に頑張ろうな。希望の分も。」



きっと母親が翔太に連絡したんやろう。

叱咤しといたって。

こんなこと初めて翔太は言うたから。


もう、翔太に気つかわせへん。

強くなる。


希望にまた会うために。



わたしは翔太に笑いかけた。


「そやな。頑張ろう。翔太とやったらできる気がするわ。」


そんなわたしを翔太はきつく抱きしめた。




この日、わたしは初めて翔太の涙を見た。


「絶対離さへんから。次こそおなかの子まで守るから。ほんまゴメンな。」


って言いながら。



強くなった第一歩。


「翔太が謝る必要ないねん!!アホ!!」


泣き笑いやったけどこれで精一杯。


わたしたちは闇を克服することができた。
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