実話~運命~
「なんやねん!!離して!!まじやめて!!」

騒ぎながら髪を引っ張られてくる2人をわたしはただ驚いて見た。

そして2人はわたしを見た後、ボコボコにされた4人を見て顔面蒼白といった感じだった。


「さぁ~て♪土屋安奈、澤田夏美やったな。お前らうちの里美にえらいことしてくれたらしいな。落とし前、つけてもらってええか??」


しゃがんだままニコやかに言う洋介くんは目が全く笑ってない。

周りではヤンキーじゃなく、もうヤクザに近い男らが罵声を浴びさせている。

”わかっとんのか、このブスが!!””女や思て軽くすむ思うなや?”といった感じで。

ハンパなくガラが悪い。

わたしまで身震いしちゃうくらい…。

もう安奈と夏美は泣き出していた。


「洋介くん、もうええよ。」


そう言うわたしの言葉は聞かず笑顔で2人のもとへ歩いて行った。


「自分ら、なんでこんなことしたん?俺、まだその理由知らんのや。言うてみ。」

そう言うが2人はガタガタ震えて言葉になってなかった。

たまたま近かった杏奈を洋介くんは思いっきり平手で殴った。

女に手あげる人やなかったはず。

相当キレとる証拠やった。

洋介くんはわたしにはほんま甘いし、ほんまわたしを大切にしてくれとるから…。

本物の妹やってくらい思ってくれとるから。


「里美~、こいつら言えへんならお前がその理由言ってみ。お前、こいつらが関わってたこと隠してたやろ。甘いで?」


わたしはこの日、初めて心底洋介くんが怖いと思った。

ここまでする必要、ないのにって。


「こいつらは…ただ仲悪かっただけや。最初はわたしがこいつら切ったのが始まりやからもうええ。」


小さい声で言うと洋介くんはわたしの目の前に来た。


「もうええ、やと?里美、お前犯されるとこやったんやで?お前がよくても俺は気すまんわ。こいつら、お前が気すんだなら俺らが好きにするから。ええな?」


「洋介くん…何するん?」


「色々あんねん。お前は気にせんとって大丈夫や。」


2人の顔をそのとき見るとガタガタ震え上がっていた。

それを捕まえている男が笑ってみている。
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