淋しがりのストレイキャット
「彼女」「親友」「クラスメイト」「友達」



どのポジションなら一番彼の側にいれるだろうと
王子様の華麗なサッカーを見ながら思っていた。


でも多分、サッカーボールが一番近くで長く一緒にいられるんだと思う。
それぐらい長井君はサッカーがすべてな人。



「菜月、」



だからそう呼ばれたときも一瞬
長井君に呼ばれたような、そんな気さえしてたの。



「…みっちゃん!」



幼なじみの三井昴くん。(通称、みっちゃん)
不良っぽく見えるけど、根は優しくて真面目。

学校にいることは少ないけど、でも悪い人じゃない。





「また、長井見てたのか?」
「うん、やっぱりサッカーしてるときの長井くんはカッコイイな〜って」




とっさに出た嘘。
ごまかそうと笑顔まで作れたあたしはまるで女優。


みっちゃんの表情が、一瞬曇ったことには見ないフリ。
最低だ。





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