幸せはキミと ~お嬢様と貧乏大学生~
<恋心>

*お嬢様と



「春子さん、ただいま~。今日いらっしゃるのよね、圭吾さん!」

今日は授業が早く終わったので、私は急いで帰宅した。

私はウキウキが押さえられず、おもちゃを買ってもらう前の子供のような顔をしていたんだろう。

「はいはい。もうこれで美由紀さんに聞かれたのは何回目かしら? 夕方隆さんと一緒にお帰りになる予定ですよ」

"ふふふふふ"と、口に手を当て笑う春子さん。

そんな春子さんもすごくうれしそうで。

私たちは2人でウキウキしてた。

あれから圭吾さんを気に入った春子さんは、1人暮らしの食生活を心配し、手料理を振る舞うために、よく家にお呼びしていた。

いくつかのバイトを掛け持ちしている圭吾さんは、空いてる日しか来れなかったけど、それでももう今日で3回目だ。

前回お会いした日より、すでに3週間が経っていて、私も春子さんも"待ち人来たる"状態なのよね。

あ~、楽しみ。

圭吾さんは、明るく楽しい人で、さらにさり気ない気遣いも出来て、私の周りにいる男性とは一味も二味も違っていて、私はお会いする度にますます惹かれていったんだ。
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