To Heart
「え!? 久保田さん?」

僕は、予想もしていなかった状態に思わず驚きの声を上げた。

「あ、川口くん。おはよう」

「ど、どうしたんですか?」

「え?」

「忘れ物ですか?」

内心もの凄く焦りながらも、出来るだけ普通に見えるように尋ねてみる。

バイトを初めてから3週間。接客で鍛えられている!? お陰か、彼女とも段々と普通に会話が出来るようになって来た気がする。

「あ、今日たまちゃん、夜予定があるって言うから、昼と夜変わったの」

たまちゃんは、音楽系の専門学校に通う女の子だ。

「夜、あまり慣れてないから、色々教えてね」

言いながら、彼女が僕に笑い掛ける。

また心臓が、大きく高鳴る。

< 102 / 171 >

この作品をシェア

pagetop