To Heart
神谷の言葉がなんとなく頭に残りながら、僕は自転車を走らせ図書館に向かった。
中に入ると同時に、図書館独特の本の匂いが鼻を刺激する。
僕はこの雰囲気が結構気に入っている。
借りていた本をカウンターで返すと、次に借りる本を探しながら何気なくあの人の姿を探す。
あ……いた。
一瞬ドキッと心臓が高鳴る。神谷のせいで、妙に意識してしまう。
とにかく今日はきっとささやかないい事があるぞ!
そうやって強く心の中で言い聞かせ、乱れた気持ちをなだめる。
恋ではない。
これは恋ではない。
と、心の中で呪文のように唱えてみた。