To Heart
彼女がいなくなってしまった後も、僕はあの店で卒業までバイトを続けていた。
彼女がきっかけで始めたバイトとはいえ、いなくなったから辞めるというのは違うと思ったからだ。
彼女との別れから半年ぐらい経った頃、僕は新しくカフェにバイトで入ってきた1つ年下の女の子の事を好きになった。
しかしその娘に「付き合って欲しい」と言う前に、彼女に想いを伝えないと、先に進むことが出来ない気がして、11月の終わりに僕は思い切って彼女に手紙を書いた。
新しい住所は分からなかったけれど、転送手続きがされていれば用賀のマンションに出せば、彼女の所へ届くであろうと気付いたのだ。
どうせ手紙を書くのなら、彼女を心配してあの時期に書けばよかったと、この時になって初めて思った。
間抜けな話だ。