忘れられない人
でも会計の際に、母が、

「アンタ、来月誕生日だから、半分だしてあげるよ。」

と言ってくれた。

わーい♪

そして、花火の当日も、着付けのできる母に浴衣を着せてもらった。

「みちるちゃんも、浴衣着てくるの?」

母には、みちると花火を見に行くとしか言ってなかった。

「うん、そう。みちるは、ピンクの浴衣買ったって!私と違って、色白いもんねー。」

私は嫌味たっぷりに言い返す。

「だって、似合ってなかったもん。咲妃は地黒なのに、ここ最近やけに黒いから・・・もっと似合わなくなってるよ。」

未だにヘルメットも大きなカバンに入れて、こっそり朝出て行くので、家族にはバレていない・・・。

いつバレるか・・・と、冷や冷やしているのだが、一向に気づかれる気配がない。

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