花かがり 【短編集】
「これです。確認できますか?」
ベテラン警察官が、優しく利奈に言った。
ビニール袋によって保管されている、何枚かの紙を利奈の前に置く。
「と…言っても、あんまり気分のイイもんじゃありませんが…」
ベテラン警察官が、話しを濁しながら言葉を続けた。
言葉通り、あまり気分のいいモノではなかった。
血まみれになった利奈の名刺と、彼が誰かに宛てた手紙らしきモノが、利奈の前に置かれている。
利奈は、その血まみれの紙を見つめた。
ただただ、見つめていたのだ。
「これですが、彼がずっと握り締めていて、手から話すのがやっとでして…」
若い警察官が、黙ったままの利奈に言った。
― だからか…。血まみれの上に、名刺も手紙もグチャグチャになっているのは ―
「この手紙は、たぶんあなた宛てに書いたモノだと思われましてね…。まっ、店と客の関係であなたには迷惑な話しだとは思いますがね…」
「……… は…ぃ」
利奈は、やっとの思いで返事をした。
「もし嫌でしたら、読まなくても結構ですが…。ただ、彼があなたの名刺と手紙を大事に握り締めていたもんで…。最後くらいは…なんて、勝手なこっちの思いでして…」
そして、ベテラン警察官は、アハハと笑った。
「いえ…。私も、気になるので…」
「分かりました。じゃ、ゆっくりしていって下さい」
行くぞ!という素振りで若い警察官を連れ、利奈の前から二人は去っていった。
ベテラン警察官が、優しく利奈に言った。
ビニール袋によって保管されている、何枚かの紙を利奈の前に置く。
「と…言っても、あんまり気分のイイもんじゃありませんが…」
ベテラン警察官が、話しを濁しながら言葉を続けた。
言葉通り、あまり気分のいいモノではなかった。
血まみれになった利奈の名刺と、彼が誰かに宛てた手紙らしきモノが、利奈の前に置かれている。
利奈は、その血まみれの紙を見つめた。
ただただ、見つめていたのだ。
「これですが、彼がずっと握り締めていて、手から話すのがやっとでして…」
若い警察官が、黙ったままの利奈に言った。
― だからか…。血まみれの上に、名刺も手紙もグチャグチャになっているのは ―
「この手紙は、たぶんあなた宛てに書いたモノだと思われましてね…。まっ、店と客の関係であなたには迷惑な話しだとは思いますがね…」
「……… は…ぃ」
利奈は、やっとの思いで返事をした。
「もし嫌でしたら、読まなくても結構ですが…。ただ、彼があなたの名刺と手紙を大事に握り締めていたもんで…。最後くらいは…なんて、勝手なこっちの思いでして…」
そして、ベテラン警察官は、アハハと笑った。
「いえ…。私も、気になるので…」
「分かりました。じゃ、ゆっくりしていって下さい」
行くぞ!という素振りで若い警察官を連れ、利奈の前から二人は去っていった。