そして俺らは走り出す
「悪かったな」
「え?」
いきなりそう呟く俺に、桜音はキョトンと目を丸くして不思議そうに首を傾げる。
「やな事聞いて。
それに今回だって、どーせ梨沙が無理矢理決めたんだろ?」
ちょっと照れくさくて、誤魔化してしまおうかとも思ったけど
ちゃんと思ったことを伝えた。
「い、いえっ
そんなこと…っ!」
「それに、今日の試合。
いつも出てないのに…それも梨沙だろ?」
桜音の言葉を遮り、決めつけたように俺は言う。