近く遠い曖昧な距離


という感じで、自分の気持ちに初めて気付いた。


それから、那津はこんなことを言った。



「でもさ要、油断したら終わりだよ。」

「え、那津、どういうこと。」

「だから、幼馴染みだからって、安心しきっちゃ駄目ってこと。」

「あ、うん。」

「南方、結構モテるし。それに"幼馴染み"って関係は案外脆いんだから。」




確かに凌はモテる。
顔は整いすぎてるし、スラッとしてるし、頭もよければ、運動もできる。


おまけに長身で、優しいし、色々な人から信頼されてる。


嫌われる要素なんて1つもない。


私の幼馴染みにはもったいないぐらい。



そんな彼を、女子は黙っているわけもない。



私が唯一彼に勝てるのは、頭の良さぐらいだった。



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