ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

「あの…だから…
私は子供で、聖斗は大人だから…」

「はぁ?何言ってんだ。
訳分かんねぇー」


聖斗の顔が近づいてくる…


「……!!」


聖斗、お酒臭い…


「…酔ってるの?」

「酔ってたら悪いか?」


頬に手を当てられたままの私の耳に
聖斗の熱い吐息が吹きかけられる。


体の芯が、吐息と同じくらい
熱くなるのを感じた。
でも、その不思議な感覚より
恥ずかしい方が大きくて
また私は
心にも無いことを言ってしまう…


「酔って、こんなことされるの…イヤ」


聖斗の動きがピタッと止まった。


「経験ナシか?」

「…そんなこと、聖斗に関係ないでしょ」


少し時間をおいて
「そうだな…」と、言った聖斗は
ため息をつき、立ち上がると
ゆっくり部屋を出ていく…


「もう、なんにも聞かねぇよ…」


聖斗…


こんなに好きなのに
私は嫌われることばかり言っちゃう


素直になれない…


でも、私が聖斗を好きだと言っても
あなたには好きな人が居るんだよね。
私には、敵わない大人の彼女が…


どうして私は
もっと早く生まれてこれなかったんだろう
ママ…聞いてる?
もう少し私を
早く産んでほしかったよ…

ママ…




…この時の私は
いずれ、4歳という年の差が
なんの障害にもならない時がくるってことに
まだ気付いてなかった…


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