ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

真相


聖斗の車の中
久しぶりに、水入らずの時を過ごす。


こんなに長い時間
聖斗と2人っきりになるのは
いつ以来だろう…


赤信号で止まるたび
聖斗は私に触れる…

指を絡め
髪を散らし
頬を撫で
大きな手で、胸を包み込む

そして、唇に魔法のキス…


次の信号も赤ならいいのに…


今まで我慢してきた分
まるで子猫みたいに
聖斗にじゃれつき甘えた。


「今日は、美羅の部屋に泊まろうかな?」

「ホント?」

「親父と顔合わせたくねぇし…」


やっぱり、私たちのことも
快く思ってないのかな…


「伯父さん怒ってた?」

「いや…、京子さんの話し聞いて
親父、ショック受けてたみたいでさ…
俺たちが薫おばさんとのこと知ってたのが
相当、応えたんだろうな…」

「そっか…」

「もう気にしてないって言っても
何度も謝ってきて…
辛くてさ」


そうだよね…
伯父さんにとっては、触れられたくない過去なのかもしれない。
特に、私や聖斗には知られたくなかったはず。


「まあでも、京子さんがフォローしてたから
美羅は心配することねぇよ」

「うん…」


聖斗と居ると
時間が早く流れる
あっという間にマンションに到着した。


辺りはすっかり暗くなり
クーラーが効いた車内を出ると
ジメッとした空気が、蒸し暑さをより強調し
繋いだ手に汗が滲む。


エレベーターに乗り
再び体を密着させながら
「理絵さんが居るのに
私の部屋に来て大丈夫?」
と聞くと


「今更コソコソしてもしゃーねぇだろ?
見つかったら、見つかった時だ」
って、あっけらかんと笑う聖斗


大丈夫かな…


エレベーターの扉が開き
私たちは部屋へと急ぐ。


部屋の前に立ち
鞄から鍵を取り出した時だった…


理絵さんの部屋のドアが
カチリと音を立て開きだす。


「あっ…」


< 353 / 379 >

この作品をシェア

pagetop