ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

急いで玄関のドアを開けると
難しい顔をした聖斗が立っていた。


「どうだった?」

「うん…」


リビングのソファーに
ドッカリ腰を下ろした聖斗が
大きなため息をつく


「アイツ…大学時代、同じサークルだった
一つ下の後輩でな…
森下っていうんだ。

まさか理絵と付き合ってたなんて知らなかったよ」

「付き合ってたの?」

「大学卒業してから
理絵が俺と結婚するまでって言ってた。
今は、そんな関係じゃないらしいが…

理絵と俺は…
その…セフレみたいなもんだったから
どうしたらホントの彼女になれるかって
色々、相談受けてたらしい」

「えっ?
それって、おかしくない?
聖斗の彼女になりたいなんて相談されて
その森下さんて人
平気だったの?」

「理絵は森下に
体だけの付き合いだって言ってたそうだ。
要するに
森下は理絵のセフレだったってことだ」


なんか、ややこしくなってきたな…


聖斗のセフレが理絵さんで
理絵さんのセフレが森下さん




聖斗が言うには…

聖斗と理絵さんは、頻繁にエッチしてた訳じゃなく
1ヶ月に一回程度
聖斗が酔っぱらって、シラフじゃない時に
関係を持ってたそうだ。


「酔ってなかったら
美羅以外の女なんて抱けねぇよ…
欲求を満たせれば
それで良かった…」

「バカ…」

「ごめん」


そして…
そんな状態に不満を感じていた理絵さんは
森下さんに相談する様になってた。


大学時代から理絵さんが好きだった森下さんは
理絵さんが可哀想で
相談に乗ってたけど
その内、自分の気持ちを抑え切れなくなり
理絵さんに告白した…


でも森下さんは、あっさりフられ
落ち込んでいると
理絵さんから
ストレス発散になるから
体だけの関係ならいいと言われたそうだ。


「それでもいいと、森下は理絵のセフレになった…」

「森下さんて
理絵さんのことが
本当に好きだったんだね…」


ここにも、すれ違う想いがあった…



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