ロンリー・ハート《この恋が禁断に変わるとき…》【完】

小走りに聖斗が近づいてくる。


えええっ…マ、マズイ…


「アイツ、誰?」


ポカンとして
聖斗を見てる上杉君の手を放そうと
もがく私
でも、その手はしっかり握られ
放してくれない…


「あぁぁ…聖斗…」


聖斗は
私の顔、上杉君の顔
そして繋がれた手を順に眺めると
最後に、もう一度
私の顔を見た。


「何やってんだ…美羅」

「あの、違うんだよ…
これは別に…」


明らかに不機嫌な表情の聖斗


「美羅に触るな!!」


怒鳴り声と共に
聖斗が繋がれた手と反対の腕を
強引に引っ張ったから
私の体は
フワリと浮き上がり
聖斗の胸に吸い込まれるみたいに突っ込んだ。


抱き合ってるみたいな体勢。
聖斗の広くてたくましい胸
私の背中を抱く
力強い腕…


うそ…


「なんだよ!アンタ!」

「ガキは黙ってろ!
美羅、来い」


いきなり凄い勢いで歩き出す聖斗に
引きずられる様に私は連れ去られ
車に押し込まれる。


これ以上無いと思うほどの
険悪なムードに
すっかりビビッてる私。


この後、ファミレスに寄って
お昼ご飯を食べたけど
まったく味が分からなかった…




誤解が誤解を生む


聖斗とは
ますます溝が深くなり


すれ違った心は
遠く、遠く離れていったんだ…



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