†Bloody Cross†
「……人間と一緒にしないで」
彼方を睨み付けながら言ってはみたけれど、動きを封じられている状態の相手に何を言われたってなんの効果も無いだろうけど……。
でも……抗う様が周りから滑稽に見られようとも、人間と同じようだと言われるのは屈辱的で黙ってはいられるはずがない
「不思議だなぁ……。君たち、銀月家は人間の守護一族なんでしょ??なのに今の言い方に、人間に対する尊敬の意は込められて無いように感じるけど……??」
あたしの瞳を覗き込んでくる彼方の表情は本当に不思議そうで……でも、口元は綺麗な三日月を描いている。
あたしにとっても、彼方が一族の使命を知っていることが不思議。
今まであたしの処に来たヴァンパイア達は、あたしが同族を殺した奴でヴァンパイアに仇なす者だから殺しにきたようなものだったから……。
「人間を敬愛するなんて無理に決まってる。そんなのヴァンパイアだって同じでしょう??敬愛していたら、血なんて飲めないものね」
「そりゃ、ね……」
一瞬……たった一瞬だったけど、彼方の表情が哀しげに歪んだのが見えてますます彼方が分からなくなる。
容易く拘束出来る力を持っていながら……容易くあたしを拘束しておきながら殺そうとはしない。
「て言うか、尊敬も敬愛もしてないのに何で人間を護ってるわけ??人間なんて放っておいてさ……」
――――【何故??】なんて疑問、考えるまでも無かった。だって……
「僕等の仲間になろうよ……」
――――疑問の答えは、こうも容易く口にされたのだから……