あなたとの時間
第1章

いちごオレ




「北森先生、今度遊ばない?」

「先生、休み時間に保健室に行っていい?」

「先生、彼女いる?」


廊下の真ん中で白衣を着た先生を女子生徒が取り囲む。

今年赴任してきた保健室の先生で冷酷主義の固まり。
なのに何かとモテてる人。

あたしはその黄色い声の中を通り過ぎようと下を向きながら速歩きをする。


「青井さん、止まりなさい」

ビクッと体を震わしながら後ろを向く。

「な、何ですか?」

先生はこちらにゆっくり歩み寄ってくる。
そしてあたしの髪に触れた。
次にバシッとくくっていた髪のゴムを取る。

「このゴムは校則違反です。1限目の始まる前に保健室に来なさい」


そういいながらゴムを持って歩いていった。

最悪だ………。
校則違反だなんて……。
てか違反なんてしてないし……。
もう………陽ちゃんは。





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