この想いを君に… −三つ子編−
第6章 白い冬の日

− 桜 −

「みんな、勉強しなくて大丈夫なの?」

ため息混じりに智道くんが呟いた。

「1日くらい、大丈夫だって!」

私は笑って智道くんの肩を叩いた。



今日はクリスマスイブ。

むっちゃんが家でパーティーをしよう、と言い出したのが1週間前。

もちろん、相方も誘え、なんて言われて…

本当は智道くんと二人で過ごしたかったのに。

「…まあ、でも外にいるよりはごまかせるか」

智道くんのその発言でむっちゃん主催のホームパーティー参加が決まったのだった。

「何だか寒いね」

歩きながらどんよりと曇った空を見上げた。

「うん、寒いね」

智道くんが首を竦めながら私の手を少し強く握る。

真っ白な息がピーンと張り詰めた空気に舞った。
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