この想いを君に… −三つ子編−
ふと、気がつく。

ママも同じように窓の外を見つめていた。

その瞳が何ともいえない、切ない色を浮かべている。

「ママ、どうしたの?」

思わず聞くと、ママは少し悲しい顔をして

「雪を見ていたらそーちゃんを思い出しちゃった」

そう言って再び外を見つめた。

「雪でどうしてパパなの?」

思わず聞いた。

俺からしてみればパパと雪が全く結びつかない。

「…パパ、そーちゃんと二人で遊んだの、雪の降るクリスマスの夜に」

ママは微笑むけど、目は悲しそうな表情を浮かべていた。
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