ダンデライオン～春、キミに恋をする～

考えてたってしょうがないじゃん！
響の好きな人は、変わらないんだもんッ。



「……」



あたしは、ニセモノでもいいから、響のそばにいたいんだ。

決めたんだもん。
あたしが、そうしたいんだから。


でも……。
だけど……。



そのままタオルを持って、脱衣に向かう。
ササッと身体についた水分をとると、新しい下着を身に着けた。

鏡に映る自分の姿にきづいて、あたしは顔を上げた。


「……」


鏡の中のあたしは、お気に入りの下着をつけてる。白地に黒のラインが入った、ちょっぴり大人な感じで。

……バカだなぁ

ニセモノでいいなんて、嘘。


あたしの心の中は、『あわよくば』なんて
そんな卑怯な事思ってるもん。


それをかき消すように、浴衣を着るとキュッとキツく帯を締めた。

もう、さすがに大野健吾は自分の部屋に戻っただろう。





と、いう事は今戻ればきっと響とふたりきり。



ドクン




や、やばい……よくわかんないけど、緊張してきた。

意識した途端、あたしの心臓が痛いくらいに加速を始める。




そして……





「あ……」