ダンデライオン~春、キミに恋をする~
あれからも、あたしは響と話も出来ずにいた。
声をかけようとしても、足がすくんで動いてくれない。
ましてや目も合わせられてない。
廊下ですれ違おうものなら、恥ずかしくて気まずくて。
逃げてしまう。
こんなに恋に臆病なんて、自分でも知らなかった。
だから?
あたしがこんなだから
響も無理に話しかけたり、近づこうとしない。
何度も
何度も話しかけようって、意気込んでも。
怖気づいて、結局帰って行く響の背中を見送る
気持ちばかりが焦って、追いつかない。
はあ、もうなにやってんのあたし。
自己嫌悪だよぉ……。
そんな
むなしい日々が続いていた。