恋人はトップアイドル
「え!?それって大丈夫なの!?」

「てめえ、だから言ったじゃねーか!」

二人とも予想通りの反応を返してくれる。

「で、でも、輝言わないって。」

「んなのわかんねーだろ、そいつはあくまでそっち側の人間なんだぜ?ふとした拍子に言っちまったらどーすんだよ。」

「輝はそんなことしないよ!」

健人の考えを、あたしは全力で否定した。

スタッフとして2週間程度一瞬にやってきてわかった。

「輝は冷たいけど、他人にもあまり関心持たないけど、仕事に対しては人一倍熱心なの。自分の言ったことは、何が何でも守ろうとする人だよ。だからあたし、輝のこと信じられるんだ。」

「・・でも、何かあったらどーすんだよ。」

健人は渋った顔で、そう呟いた。

「その時は、その時よ。」

「優美らしいわね。」

あたしの答えに、百合は笑ってくれた。

「でも優美、輝って人のこと好きなのね。」

「え、ええ!?」

突然なにを言い出すの、百合!?

「え、違うの?」

「や、そんなわけないってゆーか、輝とはほら、ただの仕事仲間だし・・。それに、こんなん相手にするはずがないし・・。」

しどろもどろすぎて、自分がなにを言ってるのか、よくわからなくなってきた。

だけど胸の高鳴りがうるさい。そんなはず・・ないよね?

「ふーん、じゃあ輝さんが芸能人じゃなかったら好きだったってこと?」

百合の何でもない問いに、あたしは答えに詰まってしまった。

輝が芸能人じゃなかったら・・?

そんなこと、考えたこともなかった。


「とにかく帰ろーぜ。」

「そうね。」

健人と百合が立ち上がる。あたしも逸る胸を抑えながら、立ち上がった。


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