恋人はトップアイドル
「あのー・・・、失礼なんですけど、どちらさまですか?」

しかし優美はそんなケイに対して、苦笑しながらそう質問した。

は・・・?

俺もケイも、一瞬目を合わせる。

今や世間じゃ誰もが知っていて、外さえまともに歩けないほどの人気のケイを、優美はまさか、知らない?

「あー・・と、輝と友達ってことは、芸能人、ですよね?すいません、あたし、そういうのすごい疎くて・・。」

申し訳なさそうに言う優美の顔をみると、どうも嘘ではないらしい。

ケイは驚いたように固まっていたが、すぐにふっと微笑んだ。

「・・面白いね。」

その呟きに、心臓が嫌な音を立てる。

「俺、ケイっていうんだ。俳優やってて、輝とは、今撮ってる映画で共演してて、友達なんだ。ちなみに同い年。やー、自分では最近人気あるのかなって、ちょっと確信してたけど、優美ちゃんみたいな子もいるとはね。」

優美・・ちゃん?

ケイが優美を名前で呼んだことに、何ともいえない怒りが沸き起こった。

ケイは友達だけど、この感情だけはどうにもできなかった。

「あ、すいません・・。俳優さんなんですか。でも本当に、綺麗な顔してますよねー・・。なかなか普通じゃ見れないですよ。」

しかし優美はケイを知らないせいなのか、物おじせずにそう答える。
俺の中の嫌な感情は、またむくむくと大きくなっていく。

「ぶっ。優美ちゃん面白いなー。」

「え、そうですか?」

「うん、こっちこそ、優美ちゃんみたいな子はなかなか見ないよ。」

ケイの態度をみる限り、優美を気に入ったんだと確信した。

だけど優美がそれに気付く気配はない。


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