キミと太陽と飛行機雲
制服が汚れるかも。
一瞬よぎった考えもすぐにどうでもよくなる。
飛行機雲はまだ消えず、定規で引いたように真っ直ぐな白い線を青空に描いていた。

「好ましい…か…」

ぼんやりとキミが呟く。
頬に感じていた視線は、もう感じない。

「…あ」

小さな声と共に、

「ひこうきぐもー」

また1本、キミの間延びした声と共に白い雲が空に伸びた。
< 12 / 28 >

この作品をシェア

pagetop