はつこい
3.遼、多忙につき。
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3.遼、多忙につき。
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あの日から数日。ある昼下がり、悠が帰ってきた。大好きな悠。正直、罪悪感でどう迎えたら良いのか分からなかった。けれど顔を見た瞬間にそんなことはどうでもよくなった。ただいま、と微笑み入ってきた悠に、思わず玄関で抱きついてしまった。

「悠!おかえりー!」

「ただいま。寂しかった。」

「私も。」


ちゅ、と唇に落としてくれたキスに、すこしだけ、ほんのすこしだけ物足りなさを感じてしまった。けれどわくわくというかどきどきというか、この高揚した気持ちは間違いなく事実なのだ。

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