片思い?両思い?


あの日から少しだけど、隆平が変わったような気がするんだ・・・。

何か考えてるの?

「でも、理沙の婚約話にはビックリしたよ~」

「それは、私が一番驚いてるわよ・・・そんな話になってるなんて知らなかったから・・」

「隆平は驚いていなかったみたいだけど・・・知ってたのか?」

日向先輩も気がついてたんだ。

「隆平だったら怒る気がしたからさ・・・」

私もそう思った。

「・・・おぉ・・知ってた」

ちょっと俯くように言う。

やっぱり知ってたんだ。

「なんで?どこから?」

思わず声が大きくなる。

「あ?・・・昔のダチから聞いてたから」

昔の知り合いって

「女?」

「違うよ!男!!・・・琉太って言うんだけど・・・」

慌てて否定する隆平に、茜が

「あ!知ってる!!伝説の男で西の人でしょ?」

と、思い出したように言った。

「茜ちゃん・・・西の人って・・・」

「だって東の隆平、西の琉太って宙君が・・・」

宙の名前を出した途端、日向先輩の顔が怖くなる。

「宙ってだれ?」

「え?あ、暁先生と純さんの子供。今中学1年生なんだけどね」

「ほ~・・・」

「え?なに?」

ヤキモチですか・・日向先輩。

「別に・・・」

「え?」

気がついていないのは茜だけ。

「茜ちゃん・・・ヤキモチだよ。日向のヤキモチ」

隆平がニヤニヤしながら教えてあげると

「やきもち・・・」

嬉しそうな顔するのやめなさいよ・・・。

「嬉しそうな顔するんじゃねーよ」

日向先輩は面白くないようだ。

「え・・・だって、いつもヤキモチ焼くのは私のほうだったから・・・ちょっと嬉しい」

顔が赤いよ・・・茜。

「素直なところは、武器だな・・・理沙は蹴り入れるか、殴るかだもんな」

「ちょ・・・それは隆平が、軽かったからでしょー」

「前の話なのに・・・」

ちょっと拗ねる隆平は可愛い。









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